なんで「ビットコイン」は生み出されたのか?
世界的な仮想通貨取引所の「Kraken」の日本法人代表である、千野 剛司さんの『仮想通貨とWeb3.0革命』を読了しました。
なんで「仮想通貨」は生み出されたのか?
「仮想通貨」が生まれたその背景と、「Web3.0時代」における日本の課題がよくわかる一冊です。
ワクワクしながら最後まで読ませて頂きました。本書の一部を引用しつつ書評させていただきます。
仮想通貨に対するネガティブなイメージ
今では仮想通貨は「暗号資産」と呼ばれるようになりましたが、投資対象とするにはボラティリティ(価格変動)が激しいので、仮想通貨はリスクの高い金融商品でもありますよね。
その後も、各国の規制強化などの逆風もありましたが、10数年の短い歴史の間で、1BTC700万円を超えたと言うのは、歴史的な快挙だと思います。(今は大暴落してますが…)
「ビットコイン」が生まれた背景には2つの理由がある
ビットコインは、リーマンショックが起きた翌年の2009年に「サトシ・ナカモト」という、リアルに実在するか分からない人物によって生み出されました。
「ビットコイン」が生まれた背景には2つの理由があると言われてます。
既得権益への下克上
1つ目の理由としてあげられるのは、中央集権である、大きな政府が起こした「金融危機という失敗」に対する「反感」です。
中央集権である金融機関や、プロ投資家たちに有利に働く平等でない市場。
「ビットコイン」は、その不合理な縮図をぶっ壊すための「革命」だったのです。
金融をより儲かるビジネスとするために、複雑な派生商品がさまざま開発されました。
仮想通貨とWeb3.0革命より引用
これらの中にはその複雑さゆえお金を融通するという本来の機能から逸脱した、金融機関やプロ投資家の儲けだけを考えて開発されたと思われるようなものもあります。
これが行き過ぎた結果、発生したのが2008年の金融危機であり、その影響は金融にとどまらず、あらゆる人が被害を受けました。
2008年の「リーマンショック」では、世界中の人々が大きな被害を受けました。あれだけのことがあれば、中央である国家を信じられなくなる気持ちも分かります。
だからこそ、国が管理している法定通貨に頼るのではなく、「ブロックチェーン技術」を使った「中央管理者がいない決済システム」を生み出すことによって、ビットコインは「既得権益が独占していた富」を取り戻すことに成功したわけです。
仮想通貨の本質は金儲けじゃない
そして、2つ目の理由がすごく重要で、「仮想通貨」の本質は「ただの金儲け」ではないという点です。
DAOと仮想通貨の関係
最近よく耳にするようになった「DAO(自律分散型組織)」の話にもつながってきますが、「仮想通貨」は自分が応援したいプロジェクトを資金面で支えるために購入するという役割があります。
私はDAOをサポートするために仮想通貨に資金を投じる、というのが仮想通貨の本質的な部分だと考えています。
仮想通貨とWeb3.0革命より引用
仮想通貨は本来、当たれば億万長者、外れれば一文なし、というギャンブルではないのです。
DAOというプロジェクトをサポートするために仮想通貨に自分の資金を投じる、これこそが仮想通貨の本来の考え方だと言われています。
アメリカのエリート学生たちは、仮想通貨に対して積極的に投資をしてますが、これは仮想通貨で一攫千金を夢見ているわけではなく
Web3.0時代における仮想通貨の本質的な役割に気づいているからこそ、自己資金を投じているわけです。
だからこそ、自分の理念に共感できるようなDAOが発行している仮想通貨を購入するのでしょう。
【仮想通貨とWeb3.0革命】は入門書としておすすめの本
日本では「Web3」「仮想通貨」「DeFi」「DAO」などのワードに対して、当事者として関わる機会が少ないですが
今後、人々の経済活動の多くがインターネット上で分散化していくことを考えると、少しでも知見を深めていくことが求められるのではないかと思います。
そういった意味でも、本書はWeb3入門書としておすすめなので、興味のある方はチェックしてみてください。