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【悲報】同一労働同一賃金制度では給与は増えない件

2020年3月2日

【悲報】同一労働同一賃金制度では給与は増えない件

同一労働同一賃金の施行まで、あと数週間とせまってきましたが、企業や働いている労働者の認知度はいまだに低い状況にあります。


そして、法律の改正が迫っている中、各メディアでは、様々なニュースや情報が憶測で飛び交っており、ちまたでは派遣社員の時給がかなり上がるとか、色々と言われていますが


同一労働同一賃金で給料が増える!と思っている派遣社員の方がいたら申し訳ないのですが

私の個人的な見解ですが「同一労働同一賃金」では派遣社員の方の給与はそこまで上がりません。


大体の派遣会社が派遣元の「労使協定方式」を採用することになるので、それを前提に事実をお話していきます。

同一労働同一賃金については、これまで3本ほど記事を書いてきていますので

内容を深く知りたい方は下記記事を参考にしてください。


【2020年4月まであと2ヶ月】同一労働同一賃金で起きること予測5選
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賞与は時給コミという事実

まず時給について、そもそも局長通知で出されている基準値による時給が安すぎるという点です。


下記の賃金表は「職業安定業務統計調査」というハローワークに提出されている求人票をもとに、その求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)のデータです。

ここに0年次から20年次までの時給が記載されているのですが、この年次レベルというのは社歴や経験年数で決まるのではなく、担当業務の責任と仕事の範囲で決まります。


ここで上記の表のタイトルに「一般基本給・賞与等の額(時給換算)」と書かれている事に気づいた方もいるかと思いますが


このデータに示されている時給は、賞与をコミにした金額設定になっているという事がわかります。


そうです。賞与は時給にコミなんです。

会社の制度として賞与別払いを希望できるケースもありますが、賞与別払いにすると単純に時給が下がります。


年次ごとに定められた時給に、地域ごとの指数が決められているので、地域指数をかける事でその地域ごとの最低賃金を定めていきます。

東京都の企業であれば、地域指数は「114.1」になるので、各職種の年次レベルに当てはめて時給を設定していきます。

東京都内の企業で一般事務員の仕事をしている方であれば

レベルが1年次だとした場合は

1,190✖️114.1=1,358

1,358円が時給という事になります。

この中には当然、賞与も含まれています。

この金額を見ていかがでしょうか?

東京で派遣社員として一般事務の仕事をしていたら、時給1,600円くらいはもらっている人がほとんどだと思います。

既に1,600円もらっているならば、厚労省で定めた基準の賃金を満たしているので、これ以上時給を高くする必要はないのです。

このように派遣社員の賞与については、既にこれまでに含まれていたといっても過言ではなく、賃金アップに繋がるものではないという事がよくわかると思います。

定期昇給は望めない

先ほどの厚労省の賃金データに「0年」「1年」などの年数の記載がありましたが

これは「基準値に能力・経験調整指数を乗じた値」という意味合いがあります。

なので、0年は入社したばかりで、1年就業するとこの給与になります。ということではありません。

これからは担当業務の責任と仕事の範囲で賃金が決まっていきます。

年に一度、人事考課の評価によって、ある一定の評価を得た場合に給与があがっていきます。

つまり、同じ仕事を同じパフォーマンスでやっている限り、いつまでも同じレベルとみなされて、大きく給与が増えるということはありません。

特に派遣社員の給与アップの原資は、派遣先が払う派遣料金によって決まります。

なるべくならば、派遣料金を抑えたい派遣先にとっては、無闇やたらに料金の引き上げは避けたいのが本音です。

評価基準を満たさなかったという判断をして、料金値上げを避けるのが常套手段になるのは必然ですね。

現実味のない退職金制度

働いている会社に退職金制度がなければ関係のない話ですが


「労使協定方式」を採用している派遣会社に雇用されていれば、世間一般の労働者の基準に合わせる事になるのですが


現時点では退職金制度のある会社が多いので、派遣社員にも退職金を支払う必要があります。


退職金の取り扱いに関して、下記2つのパターンのいずれかになります。

・勤続年数などによって決まる一般的な退職金制度

・時給に6%を上乗せする退職金前払い方式


最初に払わずに退職金制度として3年を経過して辞めた時に払うか

働き始めてから先に少しずつ払っていくかの、どちらかに分かれる事になるのですが


この選択については、各派遣会社によってルールが分かれています。


まず、退職金制度として3年後以降に払う場合ですが、そもそも派遣社員の派遣できる期間は法律上3年という決まりがあります。


途中で別の派遣先へ異動するか、3年以降も同じ職場で働ける無期雇用の派遣スタッフにでもならない限り、退職金の支給対象にはならないという事です。


つまり後払いの場合は、限られたスタッフしか恩恵を受けることができないということになります。


では、前払いが良いかというと、これも各派遣会社の方針にもよりますが


今の時給に対して6%上乗せでないといけないというルールではないので


どのくらいが退職金分になるかというのも、不透明になりますし、なるべくコストを抑えたいと思っている派遣元からすると


数十円単位の上乗せに留めたいといった対応になるのが必然です。


今回の法改正は派遣会社にとっても、未知の領域です。


派遣先から上げてもらった派遣料金をすべて馬鹿正直に還元するのではなく


なるべく利益を自社内に貯めておきたいという戦略をとる会社は多くなるでしょう。

交通費はみんなに支払われる

非正規雇用の方で、これまで交通費をもらっていなかった人も、4月からは支給を受ける事ができます。

もらっていなかった人にとっては、待遇改善という結果になりますね。

所属している会社によってルールは様々なので、全額支給もあれば規定に則って一部支給ということもあるでしょうが

交通費はルールに則って、みんなに支払われることになります。

まとめ


今回は「派遣社員」の方の待遇について、「同一労働同一賃金では給与は増えない件」をお届けしましたが


これは正規の「正社員」でも、非正規の「契約社員」「パート」「アルバイト」でも同様のことです。


行政から言わせれば正規雇用と非正規雇用の待遇差をなくす為の法律ということですが


正規雇用の方でも企業に良いように扱われて、賃金が非正規雇用の方よりも低い労働者もいます。


ハローワークの統計データにもありましたが、日本全体の給与水準が低い以上


正規雇用だろうと、非正規雇用だろうと、これからは賃金が上がらない時代が到来するのです。


これからの日本社会では、普通のことをこれまでと同じようにやっていても、賃金は現状維持どころか


当たり前に下がっていくようになります。


国が「机上の空論で定めた法律改正」に期待して身をゆだねても、状況は何も変わりません。


すべての働く人たちが、ワークとライフのバランスを考えて、生きる上でのライフプランの見直しを迫られているのではないでしょうか?

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  • この記事を書いた人

ノジソウ@管理職リーマン

人材系の管理職リーマン。ブラックな企業で社畜となり消耗してきた経験を糧に「すべての働く人達に希望を!」という自己満なテーマで発信中。2児の父。 座右の銘は『すべてに一喜一憂しない』である。読書・ギター・動画編集・ビールが主な趣味。

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